「全部の路線に乗ってみたい」。鉄道好きなら一度は考えたことがあるかもしれません。
この「ある範囲の路線にすべて乗る」楽しみ方は、乗りつぶし(完乗)と呼ばれています。ゴールがはっきりしているので、ただ電車に乗るだけの休日が「進捗のあるイベント」に変わるのが魅力です。
この記事では、乗りつぶしをこれから始めたい人向けに、範囲の決め方・記録の付け方・お得なきっぷの使い方を、名古屋・愛知発の目線でまとめます。
そもそも「乗りつぶし」とは
乗りつぶしは、決めた範囲の路線を端から端まで全区間乗っていく楽しみ方です。乗った区間を地図や表で塗っていき、すべて埋まったら「完乗」。シンプルですが、やってみると奥が深い趣味です。
ルールは基本的に自分で決めてOKです。たとえば次のような点は人によってバラバラです。
- 駅で降りなくても「乗った」に数えるか
- 夜で景色が見えなかった区間をどう扱うか
- 廃止・新規開業した区間をどう扱うか
野球で言えば「全球場制覇」みたいなもので、誰かと競うより自分のペースで埋めていくのが長続きするコツだと僕は思っています。
範囲の決め方:いきなり「JR全線」は大変
最初につまずきやすいのが範囲の決め方です。いきなりJR全線を目標にすると、ゴールが遠すぎて途中で気持ちが切れやすくなります。おすすめは小さく始めて、少しずつ広げることです。
まずは「身近な路線」から
愛知に住んでいるなら、身近な私鉄や地下鉄から始めるのがおすすめです。範囲ごとのイメージを表にしてみました。
| 範囲の例 | 規模感 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 名古屋市営地下鉄 | 全線で約93km | まず1日で達成感を味わいたい人 |
| 名鉄全線 | 路線網は444.2km | 愛知・岐阜をじっくり回りたい人 |
| JR東海の在来線 | 広い(静岡・三重・長野方面も) | 遠出も楽しみたい人 |
地下鉄は短い路線も多く、たとえば上飯田線は全長0.8kmと、一駅分ほどしかありません。こういう「短いけど忘れがちな路線」が意外とラスボスになったりします。
名鉄は愛知・岐阜両県に444.2kmの路線網を持っていて、支線も多いぶん、乗りつぶしの題材としてはかなり歯ごたえがあります。西尾線のような地元路線から始めると、普段見慣れた景色も少し違って見えてくるはずです。
「テーマ」で区切るのもあり
会社単位でなく、テーマで範囲を決めるのも楽しい方法です。
- 「愛知県内のJR線だけ」
- 「第三セクター鉄道だけ」
- 「名古屋から日帰りできる範囲だけ」
マイナーな路線にも目が向くようになるのが、乗りつぶしのいいところです。たとえば名古屋市の北側を走る城北線は、知らない人も多い路線ですが、背景を知ると乗ってみたくなります(城北線の現状と将来計画をまとめた記事もどうぞ)。
記録の付け方:「見える化」が続けるコツ
乗りつぶしは記録してこそ楽しい趣味です。方法はいくつかあります。
- 紙の路線図にマーカーで塗る:一番わかりやすく、達成感も大きい
- 表計算ソフトで区間ごとに管理:乗った日・きっぷ・メモも残せる
- 乗りつぶし記録用のアプリやWebサービス:地図で塗れるものが多く、スマホで完結する
僕は仕事で日々数字を追いかけているので、つい表で管理したくなるタイプです。「区間・乗車日・利用したきっぷ」の3列くらいから始めると、あとで振り返ったときに旅の記録としても読み返せます。
ポイントは区間を細かく分けすぎないこと。駅と駅の間を1行ずつにすると入力が大変なので、「○○駅〜△△駅」くらいのまとまりで十分です。
お得なきっぷで効率よく乗りつぶす
乗りつぶしは同じ日に何本も乗るので、フリーきっぷとの相性が抜群です。
青春18きっぷ(JR線)
JR線を乗りつぶすなら定番は青春18きっぷです。JR全線の普通・快速列車の普通車自由席が、連続する日数のあいだ乗り放題になります。
| 種類 | 価格(おとな・こども同額) |
|---|---|
| 3日間用 | 10,000円 |
| 5日間用 | 12,050円 |
2024年冬季から、利用開始日から連続する3日間または5日間で使う形に変わり、以前のように好きな日をバラバラに選ぶことはできなくなりました。1枚で1人しか使えない点も注意です。
2026年冬季は2026年12月11日〜2027年1月11日が利用期間で、発売は11月27日からです(5日間用は1月7日、3日間用は1月9日まで発売)。特急や新幹線には乗れないので、計画は普通列車の時刻表ベースで立てる必要があります。最新の条件は必ずJR公式サイトで確認してください。
名古屋市内なら「ドニチエコきっぷ」
地下鉄の乗りつぶしなら、名古屋市交通局のドニチエコきっぷが便利です。土日休日と毎月8日に、市バス・地下鉄全線が1日乗り放題で、大人620円です。
ただし、相互直通している名鉄線に乗る場合は別に運賃がかかります。上小田井や赤池、上飯田から先は名鉄線なので、乗りつぶしの範囲を決めるときに気をつけたいポイントです。料金は改定されることもあるので、公式サイトで最新の情報を確認してください。
乗りつぶしをもっと楽しむための小さなコツ
- 端の駅で一度降りてみる:終着駅には独特の雰囲気があります
- 本数の少ない区間を先に計画する:ローカル線は1〜2時間に1本ということも
- 「乗るだけ」にしない:駅前で地元のものを食べる、景色を撮るなど、旅の要素を足すと記憶に残ります
学生時代を群馬で過ごしたこともあり、ローカル線の車窓の良さは身にしみています(わたらせ渓谷鐵道の紹介記事もよければどうぞ)。乗りつぶしは、そういう路線に出会うきっかけをくれる趣味だと思います。
まとめ:小さな範囲から「塗る楽しさ」を味わおう
- 乗りつぶしは「決めた範囲を全区間乗る」シンプルな楽しみ方
- 最初は地下鉄や地元私鉄など、小さな範囲から始めるのがおすすめ
- 路線図に塗る・表で管理するなど、記録を「見える化」すると続きやすい
- 青春18きっぷやドニチエコきっぷなど、フリーきっぷと相性がいい
まずは次の週末、まだ乗ったことのない路線を1本だけ選んで、端まで乗ってみるところから始めてみませんか。
よくある質問
Q. 乗りつぶしは途中下車しないとダメですか?
A. 決まったルールはありません。乗車していれば「乗った」に数える人が多いですが、自分なりの基準を決めておけば大丈夫です。
Q. 青春18きっぷは学生しか使えませんか?
A. 名前に「青春」と付いていますが、年齢制限はありません。大人も使えます。
Q. 廃止された路線はどう扱えばいいですか?
A. 乗れなくなった区間は範囲から外すのが一般的です。逆に新しく開業した区間は、ゴールが少し伸びたと思って楽しみましょう。
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